肌愛レッスン:日焼け止め

お肌が基礎化粧品を選んだら・・・

7.日焼け止め

シミ予防には、日焼け止めがかならず必要です。 まず、日焼け止めによく表示されてある、SPFとPAについて知っていますか?日焼け止めにも、種類や特徴があります。 自分の状況、状態にあわせて、選択することが大切です。

a.SPF

SPFは、紫外線B波(UVB)をカットする力を示します。日焼け止めを塗ってない状態と比べて、サンバーン(赤くなってヒリヒリする)が始まるまでの時間を何倍に延ばすことができるか、という目安です。
通常、成人が夏の日差しの下、平均約20分紫外線を浴びると肌が赤くなるサンバーンを起こすことから、SPF2 の場合は、20分の2倍で、約40分に延ばすことができるというわけです。
SPFはあくまでも目安であり、サンバーンを基準にし、シミのできるまでの時間は測定できません。
日常使う日焼け止めなら、SPF20〜30で十分です。しかし、顔を触ったり、汗で日焼け止めが流れたり、日焼け止めは2〜3時間おきに塗りたすことをおすすめします。
日焼けが心配だからといって、SPFの数値の高いのがよいわけではありません。数値の高さと比例して油分も多くなるものが多いようです。油分は肌にはよいものではありません。海にや山など、日差しの強いところにいるときなどの特別な時はSPF数値の高いものが良いでしょう。

b.PA

PA値は紫外線A波(UVA)をカットする力を示します。
数値ではなく、+〜+++の3段階で表示されます。
+はやや効果がある、++は効果がある、+++は非常に効果がある、という意味です。
PAはサンタン(皮膚が黒くなること)を起こすまでの日数を、実際に人を使って測定したものです。
紫外線A波は、皮膚の真皮まで到達して、シミやシワをつくる原因となります。表皮までしか到達しない紫外線B波に比べると、紫外線A波のほうが、肌の深部で老化を促進するのです。
日常使いのためなら、++程度のものが最適です。海や山など紫外線が強い地域で使うときは、+++のものにしましょう。

c.成分の種類

日焼け止め効果のある成分には、大きく分けて2種類があります。
紫外線を吸収する紫外線吸収剤と紫外線を反射する紫外線散乱剤です。

●紫外線吸収剤
紫外線を吸収しますので、その際に、肌の上で化学変化を起こし、そのことが肌に対して刺激になることがあります。
配合成分には

紫外線A波の吸収剤・・・パルソールA、メギゾリルSXなど。
紫外線B波の吸収剤・・・桂皮酸、オキシベンゾンなど。

1980年代頃までは、パラアミノ安息香酸がさかんに使用されていましたが、かぶれを起こしやすいものであったため、最近はほとんど使われなくなりました。

●紫外線散乱剤
紫外線を肌の上で反射する働きをする物質のことです。
金属を酸化させたものの粉や、細かい粘土質の粉などが用いられます。酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、カオリン、タルクなどです。これらが、鏡のように肌の上に膜をつくり、紫外線をはね返します。化学変化は起きませんので、肌にやさしいのが特徴です。
ただし、粉っぽくなりやすく、粉が皮脂を吸着するので、肌が乾燥する原因にもなります。

d.日常使いの日焼け止め

日焼け止めには、高いものから安いもの、ウォータープルーフなどさまざま無数に売られています。
普段使う日焼け止めなら、紫外線散乱剤がベースのものが無難です。極力化学化合物を使わず、SPF値20〜30、PA++くらいがよいでしょう。
クリームか乳液タイプのものが比較的肌にはやさしいようです。
日常使いでは、耐水性のあるウォータープルーフは必要ありません。汗には強いですが、落ちにくく、クレンジングで肌を傷めることもあります。

e.GiovinezzaのUVミルク

SPF値25〜30 PA++。ウォータープルーフではありません。
紫外線散乱剤ベースで、極力化学化合物を省いています。
サラッとのびる乳液タイプで、酸化亜鉛や酸化チタンの紫外線散乱剤の粉が肌に直接触れないようにコーティングをほどこして、より肌にやさしい仕上がりになっています。
顔に塗ると、白浮きしたり、粉っぽく感じられる日焼け止めですが、紫外線散乱剤の微粒子化の技術で、その点は改善され、肌に塗ったときの仕上がりがきれいになっています。

f.日焼け止めのつけ方

日焼け止めはたくさん塗るとベタベタするので、薄く塗っている方が多いようです。塗る量が少なければ、日焼け止め効果は落ちます。
SPFの数値は1平方センチメートルあたり、2ミリグラムを塗った状態での測定ですので、薄く塗れば、SPF値20が10程度の効果しか得られないことにもなります。
日焼け止めを全体に塗ったあと、日焼けでシミのできやすい、頬の高い部位へ重ねづけをすることをおすすめします。
また、日焼け予防には日焼け止めにパウダーファンデーションを重ねると効果的です。パウダーファンデーションの色粉は、紫外線散乱剤と似たようなもので、紫外線防止効果をもっているのです。